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糖尿病の皮膚症状
糖尿病の患者さんは現在日本に約700万人存在し、現在40歳以上では実に10人に1人が糖尿病である。皮膚症状に関しては糖尿病患者の約30%以上に何らかの皮膚病変がみられる。
糖尿病を歴史的にみると、糖尿病は3500年前のエジプトですでに知られている。日本では平安時代の権力者、藤原道長の糖尿病は有名である。彼は貴族間の権力闘争にあけくれ、ようが乳房ほどの大きさになり、これがもとで敗血症になり多臓器不全で亡くなったと言われている。糖尿病の皮膚症状について紙面の都合上、代表的なものに限って述べる。
@易感染性:
(T)真菌症;白癬、カンジダ症。
(U)細菌感染症;爪囲炎、丹毒,せつ、壊死性筋膜炎、などが日常しばし
ば経験される。
A糖尿病の影響による特徴的皮膚病変:
(T)knuckle pebbles;手の指の背側の皮膚が厚くなり敷石状に見える所
見。目の網膜の微小な血液の流れの異常を反映するという報告もあ
る。
(U)yellow skin;皮膚が黄色に見える所見でコラーゲンなどのturnover
timeの長い蛋白がglycosylationを受けて黄色に見える。この所見は
手掌、 足底で認められやすい。
(V)糖尿病性水庖;手、足に起こりやすく、外傷や感染症が無くても生じ
る。瘢痕を残さず治癒する。微細血管障害が基盤にあると言われて
いる。
(IV)糖尿病性脂肪類壊死;糖尿病患者の0.3%にみられる。本症発生後
数年して糖尿病が見つかることがある。
B動脈硬化による閉塞性血管障害:動脈硬化は糖尿病患者では正常人に比べ10年以上早く発症すると言われている。下肢が好発部位である。
C糖尿病性神経障害:自律神経障害、運動神経障害、感覚神経障害の3種類がある。
(T)自律神経障害;自律神経は発汗障害の形で現れることが多い。神
経障害の中で最初に侵される神経障害である.感覚神経障害とよく
相関する。発汗障害があると皮膚の水分が少なくなり皮膚がもろく、
亀裂が生じ、易感染性となる。
(U)運動神経障害;足を侵すことが大半である。足の筋肉がすたれ体重
を支えるために横に広がり幅の広い足になる。数年をかけて徐々に
進行し、足の変形により靴が足に合わなくなる。そのためタコ、魚の
目などが出現しやすくなる。
(V)感覚神経障害;最初は足の指のチクチク感や感覚鈍磨として始ま
る。温度感覚もまた冒される。そのため外傷に気づかず皮膚に潰瘍
を生じてしまう。裸足で歩くと直接外傷を受け皮膚のみならず足の骨
の骨折も起こすことがある(charcot
Foot)
糖尿病性神経障害のある患者はフットケアが重要となる。すなわち常に足を観察し清潔と血行を保ち爪を切りそろえる。また足にあった靴を履き、裸足は避け、魚の目、タコなどを軽視しないことなどが重要である。
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